洗面所リフォームのポイント
洗面所は、朝の身支度で家族全員が使う場所です。
スペースが狭いため、リフォームの際には、使いやすくできるよう抑えるべきポイントがたくさんあります。
洗面所には、脱衣所・パウダールーム・家事室を兼ねた「多目的タイプ」と、洗面台と収納スペースのみ設置し、専用のパウダールームとして使う「専用タイプ」の2種類があり、それぞれ配慮すべき点は異なります。
多目的洗面所タイプ
「多目的タイプ」の洗面所リフォームは、浴室の脱衣所を兼ねる場合が多いので、室内の暖かさ、床材・クロスの選択に注意しましょう。
「専用タイプ」の場合はメイクがしやすいように、自然光を採り入れたり、照明を工夫したりしましょう。
身だしなみを整えるため長時間使用するようであれば、椅子を置いておくことも忘れずに。
洗面台の種類を知っておこう
ここからは、洗面台や洗面所のプランニングにおいて、考慮するべき点をご紹介します。
「洗面台」には主に3種類あり、「ユニットタイプ」「システムタイプ」「カウンタータイプ」から選べます。
ユニットタイプ

「ユニットタイプ」は、一般的な据え置き型の洗面化粧台です。
洗面ボウル・水栓金具・収納キャビネット・鏡・照明などがセットされ、規格サイズ(横幅が60cm、75cm、90cmなど)で作られています。
最近では、デザインや機能のバリエーションが多種多様になっており、「システムタイプ」のように収納ユニットなどを組み合わせられる商品も多く、空間プランに合わせてコーディネートすることも可能です。
洗面台メーカーからもグレード別に商品が発売されており、LIXIL(リクシル)・TOTO・クリナップなどが人気です。
システムタイプ

「システムタイプ」は、カウンター台・洗面ボウル・水栓金具・収納キャビネットなどの色や素材を自由に選び、組み合わせられるタイプです。
オリジナルの洗面スペースを作ることができるので、費用は少々高いですが人気です。
収納の充実をはかったり、洗濯スペースとコーディネートしたりするケースが多いです。
カウンタータイプ

カウンターや洗面ボウル・水栓金具など様々な組み合わせをオリジナルで作る洗面台です。
飲食店や美容室などの店舗で見かけることが多いですね。
高さや間口なども自由に決められるので、デザインにこだわりがある方におすすめです。
快適な洗面所にするポイント
洗面台の高さの目安
洗面台の高さは、想像以上に重要です。高すぎても低すぎても、顔や手を洗いにくくなってしまいます。
洗面台の高さは、75cm・80cm・85cmの3種類が一般的で、標準的なのは80cmです。
身長によって、ある程度の高さの参考基準はありますが、明確な定義はありません。
例えば、身長155cmで75cm、身長165cmで80cm程度の高さが標準とされていることもあれば、身長を2で割った数字が適当だと言わることもあります。
また小さなお子様がいる場合など、家族の構成や身長を考慮して使いやすい高さを考えましょう。
なお、深くかがんでしまうと腰痛の原因になってしまうので、顔を洗面台に近づける際の高さも考慮しなければなりません。
腰があまり良くない方や長身の方は、高めの洗面台のほうが楽です。
実際にショールームで使ってみて、ちょうど良い高さを選んでみてください。
洗面台の収納は多いほうが良い

洗面所は、歯ブラシや化粧品、髭剃り、ヘアスプレー、掃除用具など、小物類が多い場所なので、すっきり片付けられる収納力のある物を選びましょう。
三面鏡タイプで鏡の裏が収納スペースになっているタイプは、収納力が格段に上がるのでおすすめです。
洗面ボウル下部の収納部分については、観音開きのドアにして広いスペースを確保するか、細々とした物を収納しやすいように手元近くを一部引き出しにするか、を考えましょう。
洗面ボウルの選び方

「洗面ボウル」を選ぶポイントは、素材とサイズです。
洗面ボウルの素材には、陶器・人造大理石・樹脂など、様々な物があります。
「陶器製」は小さな傷が付きにくいですが、大きな衝撃を与えると割れてしまうことがあります。
一方で「樹脂製」は割れることはないのですが、小さな傷が付きやすいというデメリットがあります。
サイズの選び方についてですが、大きめの洗面ボウルがあると、洗濯や家事の準備などに役立ちます。
下洗いや手洗いが必要な時、運動靴や上履きを洗う時、洗面ボウルが小さいと不便です。
洗面ボウルが小さい・浅い物だと、水はねがひどく、床が水浸しになってしまうという話は多いので、ショールームで実際に水を出して使ってみるのがおすすめです。
洗顔の時と、手洗いの時とで適したボウルの大きさは厳密に言うと違ってきますが、例えば顔を洗うための洗面ボウルは幅50cm以上・奥行き45cmが、必要最低サイズと言われています。
水栓金具の選び方

最近は「シングルレバー」の水栓金具が主流ですが、引き出して使える「シャワータイプ」などもあります。
洗面台で頭を洗ったり、ペットのお風呂として使ったりする方は、シャワータイプが良いでしょう。
コンセントの数と位置にも注意

洗面所は、ドライヤー・髭剃り・アイロンなど、電化製品をよく使用する場所です。
リフォームをする際には、必要なコンセントの数と使いやすい位置も考えるようにしましょう。
ドライヤーや髭剃り用には、鏡や洗面ボウルの近くにも必要かもしれませんし、夏場に扇風機や冬に暖房器具を置くなら、コンセントは多めに設置したほうが良いですね。
床は耐水性のある物を
洗面所はもちろん水を使用する場所ですが、脱衣所も一緒になっている場合には、お風呂あがりなどに床が水で濡れることがあります。
水に弱い床材の場合には、タオルマットを敷いていても、数年で床下が腐食してしまう場合もあります。
そのため、洗面所の床材は耐水性のある「クッションフロア」や「フロアタイル」を選ぶのがおすすめです。
また、常に湿度が高くなる場所なので、天井や壁紙にも調湿機能がある物を採用すると良いでしょう。
冬場の寒さ対策も重要
冬場の洗面所・脱衣所は入浴の前後が寒くてつらい。そんな経験が誰でもあると思います。
暖房を使うという方法が一番簡単ですが、窓がある脱衣所なら、リフォームの際に2枚ガラスや内窓を設置することなども検討してみましょう。
さらに配慮しておきたいのが、「ヒートショック現象」です。
急激な温度変化によって血圧が急変し、脳卒中や心筋梗塞、心肺停止などにつながってしまう危険性があります。
高齢者の方と一緒に暮らす方は、特に注意が必要です。寒い冬でも温度差の少ない、暖かい洗面所づくりを目指しましょう。
収納可能な洗濯物干し

雨の日や、陰干しをしたい場合などに、家事動線的に有効になるのが洗濯物干しです。
壁や天井に直接取り付け工事ができる「室内物干しユニット」が便利ですが、収納場所さえ確保できれば、洗濯物干し用のハンガーなどのアイテムを洗面所内に保管すると、より過ごしやすくなるでしょう。
また洗濯機などを置く時は、洗面台の広さとのバランス、つまり無駄なスキマができないかどうかも注意してください。
余裕があることと、スキマがあることとは別物です。
「もっと広い洗面台が入ったのに」「さらに大きな洗濯機にすれば良かった」ということがないように、設置前の採寸や収納スペースの確保もしっかり行っておきましょう。
アイロン台もおすすめ
洗濯機や物干しが洗面所にある方は、洗面所でアイロンがけもしてしまうのが効率的です。
乾かしたい洗濯物の出し入れだけではなく、水道が近くにあるので、スチーム用の水を入れたり捨てたり、といった作業もスムーズにできます。
そのため、リフォームの際、備え付けのアイロン台を設置してしまうのが便利です。
もちろん、洗面所に作業できる棚や収納場所があれば、アイロンとアイロン台を一緒に置いておけばOKですが、使わない時に壁に収納できるタイプが場所を取らないのでおすすめです。
照明は自然光に近い物を
洗面所をパウダールームとして使用し、メイクをする場合には、照明の選び方に注意しましょう。
洗面台の鏡を見た際に、顔に影がかかるような照明はNGです。
自然光が最適ですが、窓がない場合にはLED照明など自然光に近い色を選び、影のできない場所に照明を設置しましょう。
便利なオプション機能も
寒い冬も温風で足元を温める「足元暖房」、湿ったタオルをかけておくだけで乾く「タオルウォーマー」、足で操作して水を出したり止めたりできる「フィットスイッチ」など、便利なオプション機能を付けると、洗面所はさらに快適なスペースとなります。
予算に応じて検討するのも良いでしょう。
洗面所リフォームの費用相場

洗面台(洗面化粧台)の交換や洗面脱衣所のリフォームの際に多くの方が気になることは、値段やどんな業者に依頼したらよいかということです。そこで今回は、当サイト『リショップナビ』でご紹介しているリフォーム会社の施工事例を元に、洗面台・洗面所リフォームの料金相場を解説します。LIXILやパナソニックなどのおしゃれな商品を設置した実例もあります。さらに、洗面台の選び方や施工業者の口コミも公開しているので、チェックしてみてください。